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植物、そしてハーブとの出会い
二十歳頃まで、ハーブはもちろん、植物にもほとんど興味のなかった私でした。でも、なぜか小学生の頃、アジサイの挿し木をしてみた記憶だけは残っています。残念ながら根は出なかったと思いますが、おそらく枝を土に挿すと根が出てくることが不思議だったのでしょう。植物に対する、似たような驚きや不思議さは今でも良く感じます。
とはいえ、その後何か植物を育てようという気など起こることもなく、ごく普通の少年時代を過ごしていました。
さて、肝心なハーブとの出会いは20歳の頃、ふと前を通った園芸店の店先にひと固まりのハーブの苗を見つけたのが始まりです。レモンバームやタイム、ローズマリーなど、初めて見る名前と、葉をこすった時の香りに驚いたことと言ったら!速攻でその場で買い求めたのですが、突然植物を買った自分にも驚きました。
大学では、勉強そっちのけで香りやハーブの本を読みあさりつつ、極狭ベランダでハーブを苦労して育てていました。一方で進路についても疑問がわいて来たうえ、ハーブへの熱意は冷めるどころか増すばかり。結局大学も一年あまりで休学して、ここ松江に戻りました。
SORAMIMIハーブショップ開店と苗づくりについて
その後、畑を借りてハーブを育て始め、2年半ほどの準備期間を経て1995年に松江市西川津町にSORAMIMIハーブショプを開店しました。
開店時はエッセンシャルオイルと香りの雑貨のお店というスタイルで、これは実店舗「グリーンノート」では今も変わっていません。苗はその頃はすべてが仕入でした。ところが、仕入れた苗というのは、最初見た目がとても良いのですが、店頭で売れ残ってしばらくすると一気に調子が悪くなります。それらの苗をもう一度植え直そうと思いついたのが、今の苗づくりのスタートでした。
苗を育てる喜び、そしてそれをお客様に買っていただき、使ってもらえる喜びは格別のものです。ですから直接顔を合わせてお渡しする苗に農薬をかけること、これだけはできません。それは今でも私たちの苗づくりの原点となって息づいています。農薬を使わないと育てられないハーブなら、いくら価値があるものでも私は育てるのを断念します。また、土づくりの難しさというのは当初からずっと直面していますが、植物を育てるのはまず土を作ることという理念のもと、今も日々研究を重ねています。
実際、ハーブを育て始めるまでまったく農業を学んでいなかったことがプラスでもあり、マイナスでもあったように思います。おそらく農業を学校などで学んでいたら、農薬や化学肥料を使うことにもっと抵抗がなかったでしょうし、セオリー通りの苗づくりをしていたことでしょう。先入観がなかったことで、むしろ自由な発想ができた一方、相当回り道もして来たように思います。
ハーブは奥が深く、いくら育てても次々と疑問がわいて来ます。また、種類も世界中に数えきれないほどあって、様々な面で我々の役に立っているということが私がハーブに惹かれる理由だと思います。そして、ハーブに限らず、植物を育てる喜びは、全人類共通の喜びだと思いますので、この喜びを一人でも多くの人に知ってもらいたいと日々奮闘しています。いつも、店頭でハーブに触って、その香りにびっくりしている人の顔を見るのが私のひとつの喜びです。
現在の興味と趣味
個人的には、タイム、ローズマリーが特に好きです。花色はブルー系のもの、小さい花が好きです(というのはハーブ好きに結構共通するように思いますが)。近年は樹木、特に落葉樹にも興味が広がり、ビニールハウスの周りにも徐々に落葉樹が増えて来そうです。
趣味は音楽鑑賞(結構何でも聞きます)、ロックから、ジャズ、J-POP、クラシックまで何でも気分に応じて。昔はTHE POLICEに相当はまりました。また、EDDI READERも長く愛聴しています。近年はマウンテンミュージックやケイジャンにも興味がわきつつあります。クラシックはドビュッシーをはじめとした印象派、また、ハイドンもこの頃お気に入りです。ただ、聴く時間があまり取れず、その代わりに読書の時間が増えつつあります。ネイチャー系、特に北方系のノンフィクションが好きです。暖かい布団にくるまって、寒い地の話を読むのは堪えられません。星野道夫さんのような追求系から野田知佑さんのようなゆったり系までなんでもOKです。
また、この頃は自転車でふらっと走るのも好きです。ベストシーズンには仕事が忙しく、なかなか楽しめませんが、町中の小さい道や、郊外のあまり車が通らない道をゆっくり走りながら、お庭や畑の様子を見るのはいろいろと勉強になります。今の目標は、折り畳み自転車を買って、電車で気の向いたところまで行き、走ってみることです。食べ物ではシャケが好きで、前世はアラスカの熊だったのではないかと確信を深めつつあります。
普段の仕事は圃場での栽培作業の他、お庭の作業、店頭での接客、通販事務、Web担当など、何でも屋的な立場です。
どうぞよろしくおねがいします。
SORAMIMIハーブショップ 店長 前田 憲治
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