今回マンツーマンレッスンを受講して頂いたのは、北海道札幌市でハーバルサロン「Power Garden」を主催しておられる、ハーバルライフアドバイザーの横山様です。
今までの受講者の中で、最も遠く、1200キロも離れた場所からのご参加となりました。はるばる島根まできて頂き、店長にも気合が入ります。
今回のレッスンの主なテーマは
・土壌の作り方
・混植の方法
・無農薬栽培のポイント
・種からの育て方
などなど。
おいでいただいた日は、昨日までの雨もすっかり上がり、快晴で気温もぐんぐん上昇。屋外でも日差しに暑さを感じるほど、横山様も「夏みたいですね」と仰っていました。
「ハーブの実際の生育などを見てみたい」との横山様のご希望で、会場は当店の圃場。早速レッスンのスタートです。
土壌と水はけの対策
まずは、現在育てておられる場所の環境改善について。
現状は、育てる畑が、周囲よりも低い位置にあるためか、水はけが悪く、枠で仕切って盛り土をして改善をしているものの、十分ではないとのお悩み。
畑の脇に溝があるとのことなので、排水を良くするために、簡易的な排水パイプの埋設をお勧めする店長。当店でも実際にこの冬花壇を作った時に埋設していましたので、実物を見ての説明。ホームセンターにある資材で、狭い範囲なら対応できそうです。
あわせて、土壌改良をして、水が浸透しやすい軽い土にすることをアドバイス差し上げました。土を軽くすることは、土の中に隙間を作ることになり、水はけだけでなく、通気性も改善されます。また、草取りも楽になるという点でもお薦めです。
肥料に関しては、やみくもに与えず、植物の育ちかたを見て与えること、また、土に蓄積された肥料分についてもお伝えいたしました。
混植について〜目的とハーブの性質を考えて
現在、あまり畑が広くないため上手に多品種を植えたいとのこと、
やはり組合せが大事です。縦に伸びるもの、横に広がるものなどをうまく利用するとよいことを、実際の品種を例にしてご説明いたしました。
あわせて、実際に利用する量から株数や育てるサイズを決めることも大事です。たくさん収穫するバジルなどはやはり場所も確保したいものです。
慣れてきたら、一年草や多年草など、ハーブの生育サイクルや性質も組み合わせる時に考えに入れられるようになると、なお効率的に用地を使うことができます。
また、高温多湿になりにくい北海道ではありますが、風通しは良いに越したことありません。
種からの育苗について〜種類によって異なる増殖方法
種子から育てると良いもの、挿し木や株分けの方が良いものを区別することが大事です。
バジル、コリアンダー、ローズマリー、ラベンダー、ミント、それぞれ、種子、株分け、挿し木など、適した増殖方法は異なります。
また、「マロウの花が小さく、ピンク色になってしまうのですが?」とのご質問に、
そもそもの種類の問題、また交雑や栽培上の問題などが原因であると店長は説明しました。
病害虫、雑草対策
畑で、カタツムリの害が深刻だとのお悩み。まずは、カタツムリの餌になるものを残さないこと、外敵をうまく利用することなどをアドバイス。
また、テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)が野菜から広がってきて深刻だとのお悩みには、誘引植物をご紹介しました。
また、ハーブは過保護に育てず、あえて厳しく育ててやること。丈夫に育てれば病害虫の被害も減ること、病害中対策にはこまめな観察が特に欠かせないことを店長は特に強調していました。
雑草ではスギナに特に困っておられるとか。当店でもお客様のお庭で相当苦労していますから、スギナの生育パターンに応じた除草のコツを伝授。当店スタッフも実際のお庭での成功例などをお伝えしました。
ラベンダーの栽培について
また、せっかく適地なのにラベンダーは育てておられないとのこと。こちらの暖地では難しい種類などに是非チャレンジされることをお勧めいたしました。きっと美しく香りよい花が楽しめることでしょう。
今後の活動とハーブの利用
今後ハーブティーを楽しめるサロン・カフェなども考えておられる横山様、自家製ハーブをどんどん取り入れたいとの御希望。
そのために、株分けなどで定期的に株に刺激を与えたり、更新をすることをアドバイスいたしました。また、よく使うマジョラムがうまく育たない・・・。とのご相談。冬ではなく夏にダウンしてしまうということで店長も悩んでいましたが、場所を変えてみたり、鉢栽培でやってみるなど、まだあきらめてはいけないですよと励ましを。あわせて、オフシーズンに使えるよう、ドライハーブの上手な収穫や作り方もお伝えいたしました。
レッスンを通じて、勉強熱心で、好奇心おう盛な横山様のお人柄が伝わってきました。きっと今後たくさんの人々が周りに集まって来られると思います。そう言った人たちからの情報も実践知識としていかしながら今後のお仕事に生かしていかれると尚良いですねと締めくくり、今回のレッスンは終了しました。
遠い北海道の地で、レッスンの成果が出ることを願っています。