※ページ最下部にポイントをまとめた動画がございます。どうぞ御覧ください。
さあ、挿し木の準備が出来たらいよいよ本番です。今回はペパーミントで挿し木をしてみます。
まずは大まかな流れを説明します。
流れ
- 挿し穂の収穫
- 挿し穂の前処理
- 挿し木
- 水やり
となります。
挿し穂の収穫
まずは挿し穂を収穫しましょう
挿し穂の収穫限度
よく、
「挿し木をしようと思いますが、どのぐらいまでなら親木から取っても大丈夫でしょうか」
との質問をいただきます。一般には全体の1/3から半分ぐらいまでなら収穫後、伸びてくるのも早いです。 ※写真はキャットニップの鉢です。
挿し穂をとる位置
きっと、どのあたりから挿し穂をとるかに悩むと思います。一般に枝先に近い、よく成長する部分を使うことが多いです。ただ、これは挿し木をする種類によっても、また同じ種類であっても時期によって異なりますから一概には言えません。色々試してみましょう。ラベンダーやローズマリーのように木質化するハーブなどは、下のほうで硬いところはやや発根しにくいことも多く、また挿し穂の処理が大変です。一方で、あまり先のほうは、種類によっては柔らかすぎたり、腐りやすかったりということもあります。その場合はもう少し下のほうを。比較的しっかりしていて、用土にも差しやすいと思います。
挿し穂を収穫します。枝を持つ時は、葉を傷めないよう、優しく。
挿し穂の処理
基本的に、親木から挿し穂を採取したら、なるべく早く挿し木しましょう。よく、「ゼラニウムの枝は、採穂してから一晩(半日、2時間などいろいろです)乾かして、その後挿し木するとよい」ということもよく言われます。実際試してみましたが、むしろ挿し穂をとってすぐの方がうまくいきました。これは、挿し木用土や管理、時期によっても変わってくるかもしれません。関心がある方は試してみると面白いと思います。
挿し穂のサイズは、種類によって様々ですが、できれば土に刺さる部分が1節から2節あり、それと同じぐらい、地上に出る部分があると良いでしょう。地上部が多すぎる(葉が大きすぎる)場合は、葉を少なめたり、葉を半分に切ったりすることもあります。
挿し穂の下半分ぐらいの葉は取り除きます。手でぶちぶちと取り除くのではなく、丁寧にカミソリで取り除くと良いでしょう。慣れないうちはよく切れるハサミでもいいです。ちょっと面倒ですが、とにかく丁寧に、でもできるだけ短時間で行うようにしましょう。
葉を取り除いたら,挿し穂の一番下の部分、節よりすこし下のところを斜めに切ります。ここは、切断面が滑らかなほど良いと言われていますので、「スパッ」とおこないましょう。この場所は、切断面が大事ですので、是非カミソリで。残念ながら取っ手付きの安全剃刀はごく細い枝には使えますが、すこし太い枝ではやりにくいです。また、カッターも、押しつぶす感じになりますからお薦めしにくいです。
できた挿し穂は水に浸けておきます。3分から5分ぐらいでよいでしょう。ミントのようにすごく丈夫な種類は浸けなくても発根することが多いですが。
この間に、挿し木をする挿し床を準備しておきます。
挿し床の準備
鉢の場合
鉢底にはネットをしき、用土を軽く入れます。あまりぎゅうぎゅう詰める必要はありません。極めて簡単です。育苗トレーの場合も同様です。
プラグの場合
プラグの場合は、プラグ用の挿し木用土が向いています。これもぎゅうぎゅう詰める必要はありませんが、軽く指で押さえる程度は必要です。表面はならしておきましょう。
挿し木
挿し床の準備が整ったら、お待ちかねでした。いよいよ挿し木です。
今回は、プラグトレイを使って挿してみます。ミントの場合、枝が柔らかいので、プラグ用の挿し木用土が使いやすいと思います。さあ、実際の挿し木です。といっても、挿し穂を順々に挿し床に挿していくだけ。あまり無理をせず、傷まないように挿します。。浅すぎは禁物。葉を取り除いたところはしっかり土に刺さるようにしましょう。挿し穂の間隔は、葉がふれあう程度が良いとされています。
「すこし傾けると良い」とも言われますが、それほどこだわらなくても良いでしょう。まっすぐでも発根します。日付と名前を書いたラベルを忘れずに。
全部挿し終わったらたっぷりと水をやりましょう。これは普段鉢植えに水をやるときより、はるかにたっぷりと。念のため何度か繰り返すと良いでしょう。
お疲れさまでした。でも、これで終わりではありません。これから根が出るまできちんと管理すること、そして、めでたく発根したらポット上げなどしてやる必要があります。
この続きは、「ハーブの挿し木・挿し芽(挿し木後の管理編)」でお伝えいたします。
今回のハーブ講座、動画にまとめてみました。どうぞ御覧ください。
(再生時間 およそ4分 音声が出ます)
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