「大切に育てて、初めて咲いたラベンダー、このまま咲かせてもいいけど、ドライフラワーにもしてみたい!」
ラベンダーを育てたことがある方なら、必ず一度は思うことでしょう。
また、本やネットには、
「ラベンダーは咲いたら必ず剪定を兼ねた収穫をしましょう」
と良く書いてあります。
「でも、一体いつ、どれぐらい咲いたら、どの場所で摘み取ればいいの?」
と思われる方も少なくないでしょう。
今回は、イングリッシュ(コモン)系のラベンダーと、ラバンディン(ラバンジン)系のラベンダーの2種類について収穫方法を説明します。
花の咲き具合
収穫するとき、一番気をつけたいのは、花の咲き具合です。
1.開花前
花穂は伸びていてもまだ開花していない状態です。
イングリッシュ系
ラバンディン系
まだ開花していないうちに摘み取るのはもったいないです。香りもまだ弱く、クラフトやドライフラワーにも向きません。
2.開花し始め
花は花穂の下のほうから咲き始めます
イングリッシュ系
ラバンディン系
花の咲き始めで、終った花もないので、とても見た目がいい状態です。ドライフラワーやクラフトにしても花が落ちにくい状態です。
3.開花が進んだ状態
イングリッシュ系
ラバンディン系
徐々に上のほうまで咲き上がってきました。香りは一番強い頃と言われます。このタイミングで収穫する人も多いでしょう。
4.咲き終わりの状態
イングリッシュ系
咲き切ってから収穫したのでは香りが飛んでしまい、乾かしても花がぼろぼろ落ちます。また、株にとっても長く咲かせ続けるのは負担です。はやめに剪定しましょう。このまま梅雨明けまで・・・というのが一番ラベンダーに取っては負担です。まして、次の写真のようになってしまうまで放置すると、かなり株にもダメージがあります。
収穫位置
次に収穫する位置です。収穫する位置によって今後の成長や、クラフトにする時の使い勝手も違います。
イングリッシュ系の収穫位置
クラフトに使ったり、植えてまだ年数があさい株ならAの場所でよいでしょう。すぐ下に新芽が見えますので、Aで剪定すると新芽が伸びやすいです。
もし、ずいぶん大株になっていて、コンパクトにまとめたい場合はBとか、Cの場所で収穫しましょう。Dの場所ですと場合によってはその下から新芽が出ないこともあります。
ラバンディン系の収穫位置
基本的にはイングリッシュ系と同じです。クラフトに使ったり、まだ小さい株の場合はAかBの場所で。年数が経った株であまり大きくしたくない場合はCの位置でも良いでしょう。やはりDの場所ですと場合によってはその下から新芽が出ないこともあります。
生育が旺盛な株の場合、2番花、3番花(花茎)が伸びてくることもあります。最初の花茎よりは短めですが同じように収穫、利用しましょう。また、イングリッシュ系の中には調子が良いと秋にも花を咲かせることがあります。そのためには、この初夏の収穫をきちんとすることが大事です。
※重要
今回、剪定位置をかなり細かく説明いたしましたが、実際には大株になると一株で何百という花茎が伸びることもあります。それを全て上記のように丁寧に収穫するのはかなり大変です。時期的なこともありますので、丁寧に収穫するよりも、スピードが優先されることも多いと思います。丁寧に何日もかけて行うより、カマでざっくり収穫するほうが株のためになることも多いです。初めは、丁寧に楽しみ、慣れてきたら大胆に行いましょう。
収穫に適した天気
ラベンダーを収穫する時は、天気にも気を付けましょう。可能なら前後数日間晴れの日がよいでしょう。雨のすぐあとは、乾燥させにくいので、もしドライフラワーやクラフトに使うつもりならばお薦めできません。とはいえ、ラベンダーの開花はちょうど梅雨の時期と重なることが多いです。天気予報と花の咲き具合を見ながら摘み取る日を決めると良いでしょう。早朝が香りが良いとも言われますが、露が残っている時間帯は避けたほうが良いでしょう。
まとめ
収穫せずに放っておくことはラベンダーにとっても負担です。きちんと収穫することの一番重要な理由は、ラベンダーの苦手とする夏に備えるためです。上手な収穫をおぼえて、上手に活用し、元気なラベンダーを育てましょう。
あわせて、収穫後に、枝の剪定も行うとよいでしょう。詳しくはラベンダーの開花後の剪定をご覧ください。
いかがでしたでしょうか。もし、まだ良く分からないことがあるという方のためには初心者の方専用ホットラインをご準備いたしております。ご質問等お気軽にお寄せください。