地植えの場合は準備のほうが手間がかかります。でも、この準備ができれば8割がた終ったも同然です。できれば、苗が到着するまでにこの準備は終らせておくと良いでしょう。

可能ならば注文の前に。お庭の準備が先にできていると、苗が届いてから、「植える場所が無い!」なんて良くある失敗をせずにすみます。

材料、道具など

お庭の手入れのためのごく基本的な道具類が必要です。もしなければ、今後も使うことが多いものばかりですので、準備しておいて損は無いでしょう。

鍬とバケツ、スコップ

土を耕すのに、クワかシャベルは欲しいですね。クワは慣れがいりますが長いウネを作る時などには役立ちます。また、先が分かれた備中鍬は、固い土を掘り起こす時に楽です。初めてならシャベルのほうが使いやすいでしょうし、土を深く掘る時にも使えます。苗を植えたりするのに、小さなスコップ(移植ゴテ)は是非手に入れましょう。安物は力を入れると曲がりますので、しっかりした品を選びましょう。また、バケツも必須アイテムです。水をくんだり、土を混ぜたり運んだり雑草集めなどにも使えますから丈夫なものがおすすめです。

ハサミ

園芸用ハサミもこの機会に手に入れましょう。本格的なものは値段も高いですから、最初は万能ばさみでもかまいません。

散水用品

水やりのための道具もあります。じょうろなら、先に蓮口(はすぐち)がついていて、優しく水がかけられるものにしましょう。ホースの先につけるタイプもあります。水の出方をいろいろ変えられるタイプもありますし、散水専用のものもあります。どちらも、先が外れて掃除ができるタイプが安心です。

長靴と手袋

土の感触もガーデニングの一つの楽しみですが慣れるまでは手袋があったほうが安全です。軍手でも、使い捨て手袋も手軽です。長く使うならしっかりしたガーデニンググローブが欲しいですね。
靴も、お庭で花壇の手入れをするぐらいならスニーカーやスリッパのようなものでも構いませんが、今後、本格的にガーデニングをするつもりなら、耐水性のものが良いでしょう。靴に泥が入るととても不快なものです。浅い靴よりも長靴やブーツなどがベストです。

服は大丈夫ですか?夏でも長袖、長ズボンは基本です。
腰を痛めないためには、ひざをついた姿勢が基本です。ひざ下に敷くシートや、ひざにつけるパッドのようなものも市販されていますから上手に活用しましょう。

暑い時期なら帽子やタオル、虫除けスプレーなどもあると安心かもしれません。

まずは草取りから

新築のお庭の作り立ての花壇でもない限り、草が生えていないところに植えることはまずありません。外国生まれのハーブよりも、ずっとこの場所で育って来た雑草たちのほうが勢力が強いものです。雑草の中に植えても、雑草に覆われてひょろひょろに育ってしまいますから、一度雑草を片付けましょう。

雑草が広がる畑

この場所は、半年前まで野菜を植えていましたが、収穫後手入れもせずに放置していた場所です。そのため、雑草が茂り放題。ガーデナーの強敵・スギナもちらほら見えます。

草取り

とにかく、何も考えず、草取りです。最初からクワやシャベルで耕しても良いのですが、長い草が残っていると耕しにくいものです。先に草取りをしておいたほうが実際は楽。「急がば回れ」でいきましょう。草取りはあまり楽しい作業とは言えませんが、慣れてくると「仕事が煮詰まった時の気分転換に最高」、「アイディアがふっと浮かびやすい」、「無心になれる」などの効用も現れて来るものです。

しっかり草取り

だいたい取れたと思っても、根が残っていると意味がありません。手で取れる分は、できるだけ集めましょう。邪魔になる石などもこのとき取り除いておくと良いでしょう。

耕耘

クワで耕耘

雑草が片付いたら耕しましょう。まだこの後、肥料などを入れますからざっとで構いません。

シャベルで耕耘

深く耕すのなら、シャベルが楽です。ローズマリーやラベンダーのように、根が深く伸びる種類は頑張ってできるだけ深く掘りましょう。

根をチェック

ざっと耕せたらもう一度雑草の根をチェック。結構残っているものです。

土壌改良

その場所に初めてハーブを育てるのなら、土壌をハーブ向きにしてやる必要があります。土壌改良については、後々の講座で詳しく説明いたしますが、腐葉土や、堆肥、肥料、土壌改良資材などでハーブが育ちやすい土に変えていくと良いでしょう。

「ハーブは肥料がいらない」と言われることも良くありますが、全くいらないわけではありません。多肥は禁物ですが、最小限の肥料はやはり必要です。

土壌改良資材

今回は、もともと野菜を育てていたところですので、それなりに肥料が残っていると思われます。水はけについては問題ないので、ごく基本的な土壌改良にとどめます。使うのは左から、石灰、微生物肥料、腐葉土です。

肥料についてはそれほどこだわらなければ、粒状の化成肥料を使うのも手軽で良いでしょう。「○平米に△グラム」という使用量の目安もあります。

石灰を撒く

まずは石灰を撒きます。(アルカリが強いですので手袋をしましょう)。基本は地面に霜が降った感じにと良く言われますので、何グラムとこだわる必要は無いでしょう。でも、とにかく平均的に。石灰は酸性に傾きがちな日本の土壌を中性に近づけるために入れますが、絶対入れないといけないわけではありません。また、入れすぎると土が堅くなったり、根にトラブルも起こします。今回は土に比較的やさしい、カキ殻から取れた有機石灰を使います。

腐葉土を撒く

次に腐葉土。とりあえず5リットルぐらい加えました。これも、植えてから株元に加えても良いので、「○リットル必要」と細かく考えなくても大丈夫です。カチカチの土ならもう少し増やしても良いでしょう。腐葉土は土に優しく、土の間に隙間を作り、適度な肥料分もあります。

微生物肥料を撒く

続いて微生物肥料を加えます。この範囲で3リットルぐらいですが、それほどきっちりしなくても大丈夫です。微生物肥料は当店オリジナルのもので、土の中に健全な微生物を増やし、肥料分を作り出します。

土を混ぜる

しっかり混ぜます。土の下のほうにも混ざるよう。腰が痛いです。

水やり

表面をならして、水やりをします。雨の前の日に行えば水やりは必要ありません。良いガーデナーは天気も上手に使います。

お疲れさまでした。これで準備は終わりです。できれば一週間ほど土が落ち着くのを待ちましょう。そしていよいよ定植です。

次回・地植えにチャレンジ・定植編は一週間後です。


いかがでしたでしょうか。もし、まだ良く分からないことがあるという方のためには初心者の方専用ホットラインをご準備いたしております。ご質問等お気軽にお寄せください。

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