直まき、床まき、鉢まき
さあ、いよいよ種まきの実践にはいりましょう。普通、種まきは大きく分けると、畑や花壇に直接まく「直まき」と、容器(苗床)にまく「床まき」に分かれます。「床まき」といいますと、両手で持つような「育苗トレー(育苗箱)」での種まきをさすことが多いです。
これが育苗トレー
ただ、よほどたくさん育てる場合を除いて、普通のお家で育てるには場所もとりますし、管理も大変ですから今回は小さめの鉢にまいていきます。そこで「鉢まき」とします。あまり使わない言葉かも知れません。ちなみに次回は「プラグまき」の予定です。
今回まく種
今回は、比較的手に入りやすい市販の種を使って種まきをしてみます。近くのホームセンターで売っていたイタリアンパセリとタイム(コモンタイム)の種です。イタリアンパセリを素焼きの鉢に、タイムをプラスチックの平鉢にまいてみます。
イタリアンパセリの種まき
まず、素焼き鉢の底には大きな穴が開いています。このまま土を入れても流れ落ちてしまいますから、鉢底ネットを適当なサイズに切って敷きます。
イタリアンパセリは好光性種子のため、種まき用土はバーミキュライトを使います。(ハーブの種まき準備編を参照)
鉢にぱらぱらとバーミキュライトを入れていきます。おおよそ、縁から1cmぐらいの高さまで入れます。あとで、種の上からかける余裕も残しておきます。
軽く押さえながらならしておきましょう。
種袋を開封。市販の種袋には、大抵、普通に使う分には多すぎる量の種が入っています。全部使わずに、失敗しても再チャレンジできるよう、また、次のシーズンに使える位残しておいても良いと思います。あとで、セロテープ等でしっかり口を閉じ、冷蔵庫に入れておくと良いでしょう。
イタリアンパセリの種はハーブの仲間では、比較的大きめです。
指で軽くつまんでまくことができますから手のひらから数粒ずつ、均等にまくようにしましょう。
均一になっているでしょうか?案外難しいものです。
種の上に軽くバーミキュライトをかけます(覆土といいます)。バーミキュライトはキラキラしていますから、発芽に光が必要な種の上にかけるには最適です。かけないと、光は当りますが、乾いてしまってよくありません。種が軽く隠れるぐらいで良いでしょう。
水やりはしっかりと。じょうろで優しくかけてやりましょう。二度、三度と繰り返しやっておくと確実です。
ラベルはとても大事です。日付と、まいた種の種類を書いておきましょう。種のメーカーも書いておくと、後々のデータとして有効です。
出来上がりです。この後は、風通しの良い半日陰で発芽まで管理します。といっても、「風通しの良い半日陰」ってなかなか探しても見つからないですね。要は、あまり日が当たりすぎて乾燥したり、通風が悪くてじめじめしていない場所を探しましょう。日当りが良くても、しっかり水の管理ができれば大丈夫です。もちろん、あまり風が強い場所もよくありませんので注意しましょう。発芽を楽しみにして待ちましょう。
タイムの種まき
さて、次はタイムをプラスチックの平鉢にまいてみましょう。
まずは、平鉢の底に鉢底ネットを敷きます。続いて用土をいれましょう。使うのは市販の種まき用土です。
用土は均等になるように、ならしながら入れていきます。
ふわっとした用土ですからどうしても隅っこのほうがおろそかになりがちです。気持ち多めに入れる感じでよいでしょう。軽く指で押さえます。
とても細かい種ですので、指でつまんではまきにくいです。種袋を明け、小さな紙に移します。また、風が吹くと飛んでしまいます。作業場所にも注意しましょう。
谷折にした紙片にのせた種をもった右手をトントントンと指でたたいていくと少量ずつ種が落ちていきます。このあたりは慣れも必要です。最初はどっと出るかもしれません。
均等にまけたら、軽く用土を載せます。小さい種ですからあまり厚く乗せないように。うっすらとかかるぐらいで良いでしょう。5mmぐらいといったところかもしれません。
細かい種ですから特に優しく水やりします。小さい鉢なら霧吹きでも良いですが、全体を湿らすには結構大変かも知れません。
水が行き渡ったら、ラベルを付けてできあがり。(なぜか一年前の日付になっています。店長、大丈夫ですか?)
管理は、上記と同じように程よい場所で様子を見ましょう。毎日気になるかもしれませんが、見ていると恥ずかしがるのか、なかなか発芽してくれないことが多いです。「ある日ふと見ると、芽が出ていた」というようなパターンが多いようです。
さて、この種は無事発芽するでしょうか。
次回はプラグトレイにまきます。お楽しみに。
いかがでしたでしょうか。もし、まだ良く分からないことがあるという方のためには初心者の方専用ホットラインをご準備いたしております。ご質問等お気軽にお寄せください。