ローズマリーの形が悪くなるという悩み
「ローズマリーの枝の上の方にしか花が咲かなくなってきました」
とか、
「ローズマリーの下の方が木質化してきて、葉がなくなってきました」
というご相談を時々いただきます。
大抵の場合、状況を訪ねてみると、何年も剪定せずにそのままだったという場合が多いようです。そのうえ、3年以上剪定せずにほったらかしだった場合は、元の状態に戻すことが困難になります。
ローズマリーも花が咲き終わった後に適切な剪定を行うことで、形良くそだち、花付きも良く、株の老化を防いで長く楽しむことができます。
では、ローズマリーの剪定について学びましょう。
剪定の目的
木質化・株の老化を防ぐ
枝が古くなると、下の方の葉が落ちて木質化してきます。また、上の方にしか花が咲かなくなって形も悪くなります。きちんと剪定することで新しい枝を伸ばし、葉を出やすくします。
新芽を伸ばして、次期の花をつけやすくする。
ローズマリーは、一般にその年の初夏以降に伸びた新しい枝に花が付きやすいものです(匍匐性など、例外もあります)。きちんと剪定をすることで株に刺激を与えて新しい枝を伸ばし、花のつきをよくすることにも役立ちます。
見栄えが悪い
咲き終わった花が残っていると大変見栄えが悪いものです。場合によってはカビがきたりもしますし、花が終わってしばらくした、5月から6月は、うどん粉病の被害もでやすい季節です。さっぱりと剪定して風通しを良くすると、うどん粉病の予防にもなります。
剪定のタイミング
剪定にはタイミングが大事です、あまり遅いとその年の花に影響が出やすくなります。一般的には、花が終わって半月ぐらいからひと月後ぐらいに行うと良いでしょう。地域にもよりますが4月〜6月ぐらいにあたります。
それ以降に剪定を行うと、その年の秋からの花が咲きにくくなります。いつも料理にローズマリーを使っているという方が、「花が咲かない」と言われることが多いのもこのためです。利用もしつつ花も楽しみたい場合は、収穫用の株と、鑑賞用の株を分けると良いでしょう。
プロストレイトローズマリーのような匍匐性の種類は、比較的四季咲きの性質が強いため、年間を通して開花しています。そのため、剪定のタイミングが難しいところです。立性の種類に習って初夏に行っても良いですし、枝が伸びたあとの梅雨から夏に掛けておこなっても良いと思います。暖地では冬に剪定しても良いでしょう。または、咲かせたい季節が決まっているならば、その半年前ぐらいを目安に剪定しても良いと思います。
剪定の方法
では、実際の剪定について説明いたします。
この株は花が終わっておおよそ半月程度経った株です(撮影時・5月初旬)。
花殻が残っていて見た目も悪いですね。
基本、枝の花が咲いたところプラスアルファぐらいを剪定します。さらに形を整えたい場合は、もう少し強めに剪定しても良いでしょう。
ローズマリーの枝はやや固めですので、できればしっかりした剪定バサミを使う方が作業が楽です。
ローズマリーには、時々カイガラムシがつくことがあります。剪定に合わせてチェックしておきましょう。歯ブラシを使えば、小さいカイガラムシも取り除きやすいです。
株元には終わった花や、古い葉が落ちていますから取り除いておくと良いでしょう。
さっぱりとしました。
(注意)剪定のしすぎには気をつける
剪定しすぎないよう、木質化したところからは新しい葉は非常に出て来にくいものです。葉がなくなるほど強く剪定して結局枯らしてしまったという方もたくさんいらっしゃいます。葉は必ず残すように剪定しましょう。
例えばこんな位置で剪定するのは避けましょう。
止むを得ず、葉を少しだけ残して剪定することもありますが、枝が伸びるまでにはかなり時間がかかります。
剪定して植え替え
剪定したついでに植え替えを行うにも良い季節です。
この株も花が終わった後で、見た目はそれほど悪くないですが、葉が所々黄色味がかっています。これは根詰まりし始めたサインです。根を少し整理して同じ鉢で植え替えをしても良いですが、少し大きめの鉢に植え替えます。
まずは剪定。花が咲いた跡を確認しながら、その少し下のあたりで剪定します。
剪定完了です。鉢は一回り大きな鉢を用意しました。
鉢から取り出してみると、このような状態。ローズマリーの根はもともと茶色くなりやすいため、これぐらいならまだそれほど心配はない状態ですが、良い機会ですので植え替えます。
植え替え完了です。
こちらの鉢はやや小さめで、今年は花の付きもそれほど多くありませんでした。それでもきちんと剪定しておきましょう。
形良くまとまりました。
念のため、根の状態を見てみると先ほどの株よりも根詰まり傾向で、根の色も濃い目です。こちらも少し大きな鉢に植え替えます。
3株が無事植え替え出来ました。
たっぷり水を与えておきましょう。
剪定2ヶ月後
ちょうど2ヶ月経った7月上旬、ここまで伸びました。どの株も新芽が順調に育ち始めています。特に植え替えした左側2株は伸びが著しいですね。
地植えの場合
地植えの場合も基本は同じです。下記ページに地植えのローズマリーの剪定を行った際の写真なども掲載してありますので参考にしてみてください。
いかがでしたでしょうか。もし、まだ良く分からないことがあるという方のためには初心者の方専用ホットラインをご準備いたしております。ご質問等お気軽にお寄せください。