ハーブの冬の追肥

追肥を行う時期

ガーデニング関係の本やWebを見ていると、寒肥(かんごえ、かんぴ)という言葉を目にすることがあります。

文字通り、冬、または寒中に植物に肥料を与える作業です。

育っている植物に肥料を与えることを追肥(ついひ)といいますが、冬はこの追肥がおこないやすいシーズンのため、特に「寒肥」とよばれます。

例外もありますが、気温が低い冬は植物も活動がおだやかになり、落葉したり、地上部をなくしたりして休んでいます。活動している時期よりも休んでいるときに肥料を与える方が、植物へのダメージも少なく、ゆっくりと肥料が効きますので、失敗も少ない季節です。また、肥料によっては気温が高い時期だと腐ったりしてトラブルを起こす場合もありますが、気温が低い時期ならその心配も少ないのです。

ハーブたちも、冬にお休みしたり、活動が穏やかになるものがたくさんあります。作業の少なめな冬、来たるべき春に備えて追肥を行ってみてはいかがでしょうか。

今回は当店で使用している微生物肥料を使って冬の追肥を行ってみます。この肥料はゆっくりと効くことと、やさしい成分なので、与える量が少々多かったり、少なかったりしてもあまり問題がありません。特に初心者の方におすすめの有機肥料です。他の市販の肥料を使う場合は、量や与え方はそれぞれの説明に従ってください。

鉢植えの場合

ラベンダー

まずは、ラベンダーの鉢植えに追肥してみます。8号鉢(直径24cm)のラベンダーです。

ラベンダーはハーブの中でも肥料をそれほど必要しないと言われますが、鉢植えは、地植えと違って根が広がることができる範囲が限られています。また、ハーブが消費する以外にも水やりによって肥料分が流れてしまいます。そのため、追肥は定期的に行う必要があります。

与える量

8号鉢の場合、150mlぐらい与えると良いでしょう。微生物肥料はさっと一握りすると約50mlですから、3握りぐらいです。

肥料一握り

これでおよそ50mlです

今後もっと大きく育てたいものはやや多めに。一方で、コンパクトに育て、香りよく丈夫に育てたい場合は少なめにしてみましょう。病害虫の被害に会いやすい種類も少なめの方が安心です。ちなみに、この肥料は、臭いもなく、肌にも優しい肥料です。素手で触っても大丈夫です。安心してお使いください。

与える場所

鉢のスミ3箇所

鉢の縁の土を3箇所掘り、一握り程度ずつ追肥します。

鉢のスミを掘る

鉢の縁を掘り

微生物肥料を加える

微生物肥料を一握り加え

埋め戻す

埋め戻します

微生物肥料の場合は分けずに固めて土に埋めるようにしましょう。土が余るようでしたらすこし取り除きます。

同様に残り2箇所も追肥します。

もっと小さな鉢の場合

もっと小さな6号鉢でしたら2箇所・・・2握り約100mlぐらいで良いでしょう。

4号鉢なら一握り50mlぐらいですが、小さい鉢の場合はもう少し大きな5号鉢とか6号鉢に植え替え、新しい土を加える方が育ちが良くなります。ただ、場所の関係などからサイズを大きくすることができない場合は同じサイズで追肥だけ行なうか、できれば土を植え替えを行うと良いでしょう。

剪定

鉢の土を掘ることで、根も若干ダメージを受けます。株の刺激になるという意味では悪くはないですが、根が切られてしまった分、地上部も少し剪定してやりましょう。

地植えの場合

地植えの場合、根が広がるスペースに余裕があるため、ハーブはかなり広範囲に根を広げることができます。そのため、ある程度大きくなったら必ずしも頻繁に肥料を与える必要がなくなることもあります。ただ、砂地など、極端に肥料分が抜けやすい場所や、毎年相当量の葉や枝を収穫する場合などは定期的に追肥を行う方が良いでしょう。

ローズマリー

まず、中ぐらいのサイズのローズマリーに追肥してみます。(※本当は、ローズマリーは秋から春にかけて開花することが多いため、開花中の場合は追肥はあまりおこないません。ただ、この株はまだ成長中で開花していませんし、追肥の作業がわかりやすいため、あえて今回の例に使いました)

与える量

それほど大きくないハーブ、成長しても膝や腰ぐらい程度のハーブについては、450~500mlぐらい与えると良いでしょう。

スコップ1杯の微生物肥料

スコップ一杯がおよそ100mlから150mlですので、株の周囲3~5箇所ぐらいを掘って与えましょう。

ペットボトル1杯の微生物肥料

また、ペットボトルでおおよその量を計っても良いでしょう。一株あたり、小さなペットボトル一杯分とすれば、わかりやすいですね。もともと優しい肥料ですので、与える量が若干多かったり少なかったりしてもそれほど問題はありません。

もし、特に大きく育てたい場合や、バジルやミントのように葉を大きくして収穫したい場合などは1.5倍ぐらい加えてみましょう。

与える場所

場所はちょうど枝が広がった株幅のあたり(スティックを立てている場所あたり)です。あまり根元近くでなく、新しい根が伸びた先あたりです。

ローズマリーの施肥位置

鉢植え同様周囲にパラパラと与えるのでなく、鉢植えの場合と同様かためて土の中に埋めるようにします。

掘って

ローズマリーに施肥

微生物肥料を加え

埋め戻す

埋め戻す

剪定

冬は剪定にも良い季節です。傷んだ枝や形が悪い枝などを中心に追肥と合わせて剪定を行うと良いでしょう。

より大きな株の場合

次に背丈を越えるような大きな株の場合です。

月桂樹

今回は当店の畑の一番端にある月桂樹(ローレル)に施肥してみます。本当はもうこれ以上大きくなっても困りますので、肥料は必要ないですが、例として紹介します。

与える量は一株あたり3~5リットル程度でOKです。

シャベル一杯が1.5リットルぐらいですので、2,3杯分です。

シャベル一杯の微生物肥料

これで約1.5リットル

与える場所は、やはり株元に近い場所でなく、枝が伸びた先ぐらいの株幅ぐらいのところを2、3箇所掘り、シャベル一杯分ずつの微生物肥料を与えて埋め戻します。深さはそんなに深くなくても大丈夫ですが、もしカラスや狸などが多い場所の場合、掘り出されることもありますので少し深めが安心です。

周囲を掘る

株元から少し離れたところを掘って

周囲を掘る 肥料を追加

肥料を加え

埋め戻す

埋め戻します

踏み固める

軽く踏み固めておきましょう

大きな株、特に落葉樹の場合、冬は剪定に適した季節です。もし剪定するべき状態なら合わせて剪定を行っても良いでしょう。今回の月桂樹の場合は、花芽が付いていますので剪定は花が終わってから行います。

月桂樹の花芽

おまけ

当店の微生物肥料を与えるときは、同量か1/2量の米ぬかを混ぜて与えると、微生物が増え、肥料の効きが良くなり、増量にもなります(微生物肥料は半量ですみます)。ご自宅に精米機をお持ちの場合など、米ぬかが手に入る場合は是非お試し下さい。

また、追肥後、2週間に一回程度水やりの代わりに米のとぎ汁を与えるのも効果的です。

まとめ

寒肥と呼ばれるように、寒中、または寒い時期に行う作業ですが、積雪地帯など、地域によっては時期をずらさなければできない場合もあります。季節というよりはハーブたちの状態を観察しながらタイミングを決めるのも良いでしょう。

寒い時期の作業ですので、防寒対策をしっかりして風邪をひかないよう気をつけて行ってください。

今回使用した材料:
微生物肥料,
微生物肥料・お得な10リットルサイズ


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