冬に行う鉢の植え替え

前回は、鉢のサイズを大きくして植え替える方法を説明しました。この方法が一番行いやすい植え替えですし、成長も安定しますが、もともとが大きめの鉢の場合、もうこれ以上鉢のサイズを大きくしたくないときもあります。今回はそういった場合の植え替えを紹介します。

植え替えの方法 2.鉢のサイズはそのままで植え替える

基本的に、もともと株が植わっていた同じ鉢を使って植え替えます。植え替えるというよりは土を一部更新するという感じです。

フラックスリーフティートゥリーの植え替え

フラックスリーフティートゥリー

今回はまず、フラックスリーフティートゥリーの植え替えをしてみます。成長が早い分、根詰まりしやすく、根が傷むと弱りやすいのがティートゥリーです。時々根の状態をチェックして、必要に応じて植え替えると良いでしょう。

剪定

フラックスリーフティートゥリー剪定

まずは剪定を行います。ティートゥリーの仲間は剪定には強いのであまり心配はいりません。形良くなるよう、どんどん剪定しましょう。

フラックスリーフティートゥリー剪定完了

株を取り出す

フラックスリーフティートゥリー株を取り出し

前回と同様に鉢から株を取り出します。

根の状態のチェック

フラックスリーフティートゥリー根のチェック

根の状態をチェックします。傷んでいたり、根腐れしている部分は取り除きます。害虫などもあわせてチェックしておきましょう。この株は隙間ができていました。ナメクジがねぐらにしていたかもしれません。

根の整理

フラックスリーフティートゥリー根の整理

今回は根詰まりまではいきませんでしたが、底の方の根がやや傷んでいたので取り除きました。

フラックスリーフティートゥリー根の整理

また、そのままでは新しい土が入りませんので、土を削ります。この場合も、全体を削るよりは2、3箇所にとどめることで根のダメージを防げます。

フラックスリーフティートゥリー根の整理

柔らかければ指でも削れますが、根が詰まっていたり、固い土の場合はスコップで根を切るようにしましょう。

フラックスリーフティートゥリー根の整理

株元に近い方(上の方)は水やりなどで特に土が劣化しています。少し多めに取り除くと良いでしょう。根腐れしやすい底の部分も取り除く場合もあります。

新しい土で植え替える

フラックスリーフティートゥリー根の整理

鉢に鉢底石を入れ、土を加えます。高さを調整します。もし余裕があれば、鉢を一度洗浄しておくとなお良いでしょう。

フラックスリーフティートゥリー土を加える

鉢に戻します。周りの削った部分と、株元に近い方に土を加え出来上がりです。

今回も植え替え用の土として、あらかじめ肥料や微量成分も含まれているオリジナルハーブ用土を利用します。水はけ、水もちもよく、初心者の方でも使い易い土です。

フラックスリーフティートゥリー植え替え完成

水やり

フラックスリーフティートゥリー水やり

たっぷり水を与えておきましょう。

日本ハッカの植え替え

今度は、冬に地上部が全く無くなってしまう種類のハーブを植え替えてみましょう。今日は日本ハッカを使います。

日本ハッカ

同じミントでも、冬に地上部がある程度残る種類や、この日本ハッカのように全くなくなる種類もあります。もちろん、その程度は地域によっても異なります。

成長著しいミントは夏の終わり頃に植え替えることもありますが、地上部がなくなるこの時期は植え替えも特に楽です。

剪定

まずは枯れてしまった前年の枝や葉を剪定します。地上部を全て取り除けば良いですので、作業は簡単です。

日本ハッカの剪定 日本ハッカの剪定

このように、地上部は冬場ほとんど無くなっています。

ところが、鉢から取りだすと、

日本ハッカの地下 日本ハッカの地下

土の中ではこの様に地下茎がびっしり伸びています。この地下茎が春から良い芽を伸ばします。

古い根や土を取り除く

そこで、地下茎がよく伸びるよう、古い根や土を取り除き、新しい土を加えてやります。

日本ハッカの土を取り除く 日本ハッカの土を取り除く

ミントの場合、少々強く行っても大丈夫です。株を増やしたい場合は、株分けしてみても良いでしょう。

新しい土で植え替える

日本ハッカに新しい土を加える

鉢に鉢底石と、土を加えます。高さを調整します。ミントのように湿り気を好むハーブの場合、水はけが良い土ならば鉢底石はなくても大丈夫です。

日本ハッカに新しい土を加える

鉢に戻します。周りの削った部分と、株の上部に土を加えます。地下茎が少し埋まるぐらいでちょうど良いでしょう。

植え替え用の土には、あらかじめ肥料や微量成分も含まれているオリジナルハーブ用土を利用します。水はけ、水もちもよく、初心者の方でも使い易い土です。ミントはとても丈夫なので、花と野菜の土のように、一般の園芸用の用土でも比較的問題なく育ちます。

水やり

日本ハッカに水やり

たっぷり水を与えてできあがりです。

まとめ

お気に入りの鉢とハーブを組み合わせている場合や、手持ちの鉢に余裕がなかったり、サイズを大きくできない場合など、今回のように同じ鉢で植え替えることは度々起こる場面です。

植え替えて根や株に刺激を与えることは、ハーブにとって、非常に大事です。「どうも成長がよくない」と言う時にも植え替えてみると突然成長がよくなることもあります。是非試してみましょう。

次回、冬に行う鉢の植え替え(その3)では、とても大きな鉢で、鉢をひっくり返すことが困難だったり、鉢から抜けにくい種類などを、鉢から出さずに植え替える方法も紹介いたします。お楽しみに。

今回使用した材料:
オリジナルハーブ用土,
オリジナルハーブ用土・お得な10リットルサイズ


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